「何をいまさら...」と言われそうだが、こんなニュースがありました。
断崖絶壁に作られた防護壁に落ち、九死に一生を得たものの、脱出できずに動けなくなり、レスキュー隊員の手で無事に救出された一頭の野犬の話です。
一見すると美談のようにも思えますが、穿った見方をする私には引っかかりが残ります。
この崖っぷち犬(と呼ばれるようになった犬)にとっては、九死に一生を得たことだけでなく、世間に注目され、多くの引き取り希望者が現れたことで、今後は幸せな生活が約束されている(?)だろうと思うのですが...
一部のテレビ報道によれば、この犬が救出される1週間ほど前に、もう一頭の野犬が同じような状況で救出されているそうです。体型や容姿から兄弟犬だろうと推測されているようですが、大きく報道された崖っぷち犬のような引き取り希望者の話は報道されていません。
さらに、テレビ報道によれば、崖っぷち犬が発見された眉山周辺は、捨て犬が多い地域だといい、まだ多くの野犬がいるそうです。
つまり、もともと捨て犬が繁殖し、そのうちの一頭が(偶然)防護壁に落ち、(それが発見、救助などで注目された結果)引き取り希望者が殺到するシンデレラに変身したという話でしかないわけです。
これ、なにか間違ってませんか?
そもそも、犬を捨てる人がいるのが悪い!まぁ、これが一番の原因ではあるのですが、引き取り希望者も不思議ですよね。
この人たちは、なぜこの犬が欲しいのでしょう?。
純血種でもない雑種です。しかも、親犬の素性もわからない、ただの雑種ですよね。それに名犬というわけでもありません。
敢えて言えば、野犬の中でも(崖を落ちるぐらいですから)駄犬でしょう。
それなのに、県内はもとより全国各地から引き取りを希望する理由がわかりません。
全国どこにでも捕獲された野犬はいますし、引き取り手もなく処分される犬も少なくありません。
では、なぜ最寄りの保健所に保護された犬ではなく、テレビで報道された崖っぷち犬を引き取りたいと希望したのでしょう。
今回の報道を見て感じたのは、引き取った人がまた捨ててしまうのではないかという疑問です。
そして、選ばれなかった飼い主希望者たちが、その後に他の犬を希望するのだろうかという疑問です。
また、そのようにして入手した犬たちが幸せな人生(犬生)を遅れるのだろうかという点に不安を感じます。
最近のコメント