チリ地震による津波騒動は今日一日、日本中を駆けめぐったようですが、結果は最大でも1.2m、道路冠水や漁業関係に若干の被害があったものの人的被害が出なかったことは不幸中の幸いでした。
しかし、今日の報道を見ていて気になったことがあります。
それは、津波警報が出ている最中、サーフィンを楽しんでいる馬鹿者がいたこと。巡回監視中のパトカーに注意され、渋々避難する姿がテレビのニュース映像の中にありました。
そういう馬鹿がいるのではないかとは思っていましたが、やはりいましたね。この種の人間は放っておいて、勝手に死なせればいいんです。津波にさらわれ、死を実感したときに、津波の怖さを知ると思います。
それと、もう一点は以下の記事。
「津波:太平洋側では交通マヒ 休日の観光施設にも影響」
全国の太平洋側を中心に出された「警報」は交通をまひさせ、休日の観光施設などにもダメージを与えた。
(中略)
静岡県富士市の国道1号で渋滞に巻き込まれた藤枝市岡部町、フリーター、上谷俊之さん(25)は「東名高速道路が通行止めになったので利用したのに、国道 1号も一部、通行止めになっていた。渋滞でガソリンが切れ、車が動かない。1、2メートルの津波で高速や国道を通行止めにするなんて……」。車を路肩に止 めて「ここまでガソリンを配達してくれる店を探している」と話し、ガソリンスタンドに電話をかけていた。(毎日新聞 2010.2.28 20:17)
1mどころか50cmの津波だって危険だということもわからないフリーター、ガス欠したのが一般道で良かったですね。高速道路だったら事故になりかねないし、違反切符も切られますからね。
それはともかくとしても、こんな馬鹿者の発言をそのまま記事にする記者とその記事の掲載を認めた編集長の神経を疑います。
こんな記事を書くことで、「そうだよね」と考える読者が現れる危険性を考えていないのでしょう。
報道者として、危険性を語る方が重要なのだという意識も持っていないのです。
さらに酷いのは、石原東京都知事の発言です。
「東京マラソン、中止するバカいない~都知事」
気象庁が津波警報を発表する中で28日の東京マラソンを実施した石原都知事は、「(Q津波警報が出て中止を検討されたりとかは?)地震がいつ起こる かわからないのに、中止にするバカはいないでしょ。くだらん質問をするな!」と述べた。
都によると、ゴール地点の有明地区は東京湾に面し ているが、最も奥まったところにあり、津波が到達する可能性は低いと判断して大会を続けたという。(日テレNews24 2010.2.28 19:36)
質問との論点が噛み合っていません。今後起こるかもしれない「地震」の話ではなく、現に発生し、押し寄せている最中の「大津波」への対応について質問されているんですよね。
結果としては、何事もなかったわけですが、「港湾の奥まったところ」は「津波のエネルギーが集まりやすい場所」でもあるわけで、津波が届いた場合には被害は大きくなる可能性も高いのです。
誰も「東京マラソンを中止しろ」とは言っていませんよね。しかし、ルートやゴール地点の変更はできなかったのでしょうか?
そりゃ、あれだけの規模のマラソン大会ですから、変更は容易ではないでしょうし、多少の混乱は起こったろうと思いますが、「津波の恐ろしさ」を伝え、「十分すぎる予防措置をとる」ことの重要性を伝えるいいチャンスだったはずです。
それを、「津波警報など恐るるに足らず」「港湾の奥まった部分は安全」という誤ったメッセージを伝えてしまった責任は重いと思います。
「津波警報の中…1300人がサーフィン」
こんなにいたんですね、バカどもが・・・。
ホント、1人でも流されてしまえば、良かったのに。
投稿情報: はつかり | 2010/03/05 13:48