「南極の石、持ち帰っていいの?」という記事に目がとまった。
「世界7大陸の最高峰の単独登頂に挑戦中の登山家が、南極最高峰の山頂付近から持ち帰った小石を盗まれたとして警察に届けたところ、山岳関係者らから「石の持ち帰り」そのものを批判する声が上がった」という内容です。
う~ん、言わんとすることはわからないでもありませんが、「南極に戻す」ことには、必ずしも賛同できません。
実は、我が家にも南極の石があります。昭和40年、再開した南極観測のために登場した海上自衛隊砕氷艦「ふじ」に搭乗した自衛官の方から父がお土産としていただいたものです。当時、一緒にいただいた南極の氷は気泡があり、溶ける時にはプチプチという音がしたことも覚えています。
この時いただいた南極の石ですが、横浜こども科学館の展示物と同種(ただし、もっと小さい)ですね。一部は地元の小中学校にも寄贈しましたが、残りは20年以上(殺風景な)床の間に鎮座した末に、(小さな)庭の(小さな)造園の一部となり、今に至っています。
この記事の主旨からすれば、我が家の「南極の石」も戻すべきという話になるのでしょうが、どうなんでしょうね?
当時、「南極は寒いが、風邪はひかない」という話を聞きました。訪れる人が限られていたので、菌が持ち込まれていなかったからだとか。しかし、一般旅行者も増えた現在では様々な菌が持ち込まれ、風邪をひく可能性はあるのだそうです。
長い間日本の風雨にさらされた石を戻すことで、新たな菌を持ち込むことになるのでは、本末転倒ですし.....。
というわけで、「新たに南極の石を持ち帰ることはいけないが、すでに持ってきてしまった石を戻すことまでは必要ない(どころか逆の問題を起こす可能性がある)」と思うんですよね。
(念のために断っておきますが、既得権を主張するのではありません。我が家で庭石の一部にしたのは、すでに土産という価値もなくなったものの、捨ててしまうのは惜しいからでした。展示などで有効に活用していただけるなら寄贈するのは構いませんが、すでに長期間日本の風雨にさらされたものでは、その価値もないように思います)
ところで、「南極の石」で検索してみたところ、結構あるんですね。
広島大学総合博物館では「南極の石差し上げます」と大盤振る舞いしたようですし、各地の小中学校に寄贈された石が展示されているようです。なかには、こんなオークションまであるのには呆れてしまいました。我が家にある「南極の石」の中にも似たような石があるので、ホンモノの可能性はあると思いますが、5万円以上の入札をしてまで買う価値はないと思います。
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