蕨市に住み、公立中学校に通うフィリピン人カルデロン・のりこさんの両親が、昨日フィリピンに帰国したというニュースがあります。
要するに、15年以上前に他人名義のパスポートで不法入国し、不法滞在を続けたフィリピン人に子供が生まれ、(母国語を教えることなく)育てていたが、2006年に不法滞在が発覚、強制帰国させられることになったが、日本語しか話せない子供のために家族全員での在留特別許可を求めていたもので、支援活動なども活発に行われましたが、最終的に、娘の在留は認められましたが、両親は帰国することになったという話です。ちなみに、カルデロン・のりこさんは母親の妹家族(正規の滞在許可がある)と同居することになったとか。
この事件については、賛否両論がありますね。私の意見は、やはり両親の在留特別許可は無理で、今回の対応は正しかったという気がします。
そもそも、他人名義のパスポートで不法入国したことが問題です。観光ビザで(正規に)入国し、不法就労/不法滞在する方がまだマシでしょう。
そして、子供が生まれたなら、将来のことを考えるべきだったのです。不正入国/不法滞在ですから、出生届などもマトモに出せない状況だったはずですよね。それが、どういう経緯で公立学校に通うことができたのかは知りませんが、少なくとも正規の手続きはできないはずですよね。なにしろ、両親は不法入国&不法滞在なのですから。
それに、もう一つ理解できないのが、娘に母国語を教えなかったことです。日本で誕生したとはいえ、彼女はフィリピン国籍にしかなりません。両親と大きく違うのは、日本で生まれたため、不法入国はしておらず、不法滞在だけが問題になるという点です。しかし、不法滞在ですから、パスポートやビザの取得はできないでしょうし、日本から一歩も出ることはできません。唯一、堂々と出国できる可能性は強制送還だけというのに、母国語も話せない子供に育ててしまったことを後悔していないのでしょうか。
せめて、不法滞在が発覚した時点からでも母国語を教え始めていれば、子供ですから短期間で覚えることができたのではないでしょうか。
また、母国フィリピンに一緒に帰国し、日本人学校で教育を受けさせる手段は考えなかったのでしょうか?
今回の騒動で感じたのは、両親はごね得を狙っているだけ、支援者たちは別の打算で動いているだけなのだろうということです。
それでも、法を守りながら、人道的対応も行った司法や行政の動きには拍手を送ります。
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