「低料金で髪のカットのみをする理・美容店に対し、群馬県は、洗髪設備の設置を義務づけることを決めた。
新規出店の店が対象で、関連条例の今年度中の改正を目指し、施行は来年秋ごろになりそうだ。県衛生食品課は義務化の理由 を「公衆衛生の向上を重視し、総合的に判断した」と説明している。義務化の是非を議論していた県の検討委員会は5月、「緊急を要して義務化する必要はない との意見が大半」と提言していた。
この議論は、個人営業の店が主体の県理容生活衛生同業組合と県美容業生活衛生同業組合が、カット専門の理・美容店に対して洗髪設備の設置義務化を求める請願を県議会に提出し、昨年3月に採択されたのが発端だ。
「洗髪しないのは不衛生」と訴えていた県理容生活衛生同業組合の吉野信一理事長は「我々は清潔さが身上の商売であり、安堵(あんど)している」として県の判断を歓迎。一方、県内に11店舗を展開するカット専門チェーンは「洗髪するかしないかは利用者の判断。義務化に意味があるのか」と冷ややかだ。県はこれまで、衛生面の実態調査や県民アンケートを実施、さらに有識者ら5人の検討委を設置して議論してきた。実態調査によると、洗髪設備の有無 で衛生状態に差が出ることはなかった。アンケートでも、設備がないことを「特に問題ない」「快適ではないが、不衛生とは思わない」との回答は合わせて6割 を超えた。これらを踏まえ、検討委は「義務化の合理的理由は見いだせない」と結論づけていた。検討委の委員長を務めた大河原真美・高崎経済大教授は「県の 判断に反映されたのかは疑問で、違和感がある」と話す。
県の昨年末の調査では、洗髪設備がない理・美容店は、全6827店のうち47店。また、全国では17道県が設備設置を条例で義務付けているが、17府県は、働きかけはあったものの条例化は見送っているという。(読売新聞 2009.9.30 03:08)」
私、床屋さんや美容院で頭を洗って貰うのは好きなんですが、店によって洗うタイミングって違いますよね。いきなり洗髪をする店もあれば、おおよそのカットが終わり、仕上げに入る前に洗髪してくれる店もあります。子供の頃から疑問だったのは、いつ洗髪するのが正解なのか?ということでした。
私自身は、仕上げ直前に洗髪して貰う方が好きです。散髪で髪の間に落ち込んだ髪の切り屑を洗い流す意味があるし、毛根部の脂もとって、さっぱりしたところで整髪した方が気持ちがいいし、せっかく綺麗に整えて貰った髪型を(自宅で)早々に洗髪して崩してしまうのは勿体ないからです。
しかし、この話を聞いて愕然としました。カット時に洗髪しないと不衛生なんですか?ということは、私の考え方は間違っている?
ここで大きな疑問にぶち当たりました。不衛生なのは来店する客の頭でしょうか?それとも、理美容店の道具でしょうか?
前者なら最初に洗髪しなければならないというのも一理ありますが、となると、整髪直前に洗髪する店の考え方がおかしいことになります。少なくとも、櫛とドライヤーで整髪した後に洗髪する店などありませんから、前者としか考えられませんよね。
散髪前に洗髪しなければ不衛生だと断定するほど衛生に拘るのなら、当然使う道具についても衛生面に気をつけているのでしょうね。でも、前の客に使ったまま、次の客も同じ器具を使うのですから、理美容店の器具も不衛生なんですよね。
とくに、カミソリや鋏などの刃物については、感染症予防の面からも医療器具並みに紫外線による滅菌消毒して貰わなければ安全とは思えませんが、そのような設備を供えた理美容店はまず見たことがありません。
ということは、理美容店で散髪すること自体、凄く不衛生なことだったのですね。
さて、皮肉はこのぐらいにして、このニュースをしっかり読むと「洗髪設備を設置する」ことを義務づけただけで、洗髪を義務化したわけではないんですね。
つまり、設置してさえあれば、使わなくてもいいわけです。なんのための条例なのでしょうか?
それと、同じような条例は全国17道県で制定されているし17府県では働きかけがあったという事実に驚きました。
全国の理容生活衛生同業組合、美容業生活衛生同業組合の皆さん、そんなに客の頭が不衛生だと考えるなら、もう廃業されてはいかがでしょう?
技術レベルの高いカリスマ理・美容師のいる高級店を求める客もいますが、多くの人は低額カットで十分だと考えているから、そういう店が流行るのです。中途半端な技術で決して割安ではない料金の店など、時代にそぐわないんですよ。廃業をお勧めします。
最近のコメント