「少年が父親のクレジットカードを無断使用したインターネット上の決済について、カード会社が父親に支払いを求めていた裁判で、長崎地裁佐世保支部はカード会社の請求を棄却した。」という記事を読み、ちょっと複雑な感覚を覚えました。
記事によれば、「当時19歳だった少年が、携帯電話で有料アダルトサイトを閲覧し、閲覧料約285万円を父親のカードで決済した」というもので、カード会社のユーシー
カード(現クレディセゾン)が男性に対して支払いを求めたのに対し、父親の男性は、カード会社の不正使用対策が不十分だったなどとして、支払いを拒否したことから、裁判となっていたものです。
地裁の判決は、「カード会社は暗証番号の入力など第三者の不正使用を防ぐ方法を構築していたとは言えず、男性に過失は問えないとして、カード会社の請求を棄却した」というのですが、いくつかの問題が残る判決であることは間違いなさそうです。
たしかに、「暗証番号の確認もなく、カードに記載されている情報だけで受け付けてしまうシステム」には不備があることは事実ですが、その点だけを問題にしていていいのでしょうか?
そもそも、本人確認や年齢確認が不備であったアダルトサイトの問題を問うていないのはなぜでしょう。
未成年の契約に関しては親の同意がなければ成立しない訳で、契約が成立していない以上、代金の支払いそのものが発生しないと考えられます。それなのに、アダルトサイトがカード会社に代金を請求したこと自体が問題であって、カード会社は訴訟を起こす相手を間違えているのではないでしょうか。
ちなみに、インターネット決済に限らず、暗証番号もサインも不要で決済できるケースはありますよね。父親の財布からカードを持ち出して使っていたら、どうなるんでしょうね?
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