いささか旧聞ですが、こんなニュースがありました。
「警察署の電話番号使って振り込め詐欺?「示談金20万円必要」」
「札幌・中央署は23日、札幌市のタクシー運転手の男性(68)から「警察官を名乗る男から『20万円必要』と不審な電話があった」と交番に届けがあったと明らかにした。発信元は静岡県警沼津署の代表電話で、中央署は警察署の電話番号を使った振り込め詐欺とみて調べている。
同署によると、22日午前10時ごろ、男性に「警察です。息子さんが万引して示談金として20万円かかります」と電話があり、着信履歴を調べたところ沼津署だった。
中央署は、男が沼津署から電話した可能性は低く、番号を偽装した上で警察官を装ったとみている。北海道警は特殊な機器を使い、発信番号を偽装した疑いもあるとしている。
総務省によると、警察署や自宅の電話番号を偽装して表示させ、振り込め詐欺に悪用するケースが相次いでおり、平成20年4月、業者に必要な措置を講じるよう省令を改正した。」(msn産経ニュース )
いやぁ、ありがちですね。電話番号の偽装は海外の回線を経由すると可能なんですよね。大がかりになったものだと感心したのですが・・・。
このニュースには続報がありました。
「札幌・中央署は24日、静岡県警沼津署の電話番号が悪用したとされる振り込め詐欺容疑事案とする23日の発表について、事実と異なる可能性が高いとして、事実関係の調査を始めたことを明らかにした。
中央署によると、札幌市のタクシー運転手の男性(68)から22日、「警察官を名乗る男から『息子が万引をした。示談金として20万円かかる』と電話があった」と交番に届けがあった。男性の携帯電話の着信履歴に沼津署の代表電話番号が残っており、中央署は「警察官をかたる新手の振り込め詐欺容疑事案の発生」として発表した。
沼津署によると、署員が男性の息子の罰金について実際に電話をしたことはあるとしており、中央署は経緯などを調べている。」(msn産経ニュース
あれれ?雲行きがおかしくなりましたね。(笑)
沼津署が電話していたんですか?
と言うわけで、最終的に、次のニュースで落ちがつきました。
「札幌・中央署は24日、静岡県警沼津署の電話番号を悪用した振り込め詐欺容疑事案とする23日の発表について、実際に沼津署が電話していたとして「振り込め詐欺ではなかった」と訂正した。中央署によると、札幌市の男性(68)から22日、「警察官を名乗る男から『息子が万引をした。示談金として20万円かかる』と電話があった」と交番に届けがあった。
携帯電話の着信履歴に沼津署の代表電話番号が残っており、沼津署に問い合わせたが事実を確認できず、中央署は「警察官をかたる新手の振り込め詐欺容疑事案の発生」として発表した。
しかし24日午前、沼津署が「男性の長男を逮捕している」と指摘。沼津署員が万引事件の罰金について、男性に電話していたことが判明した。
中央署は「沼津署に電話で問い合わせた際、逮捕日時のやりとりで行き違いがあった」と釈明している。」(msn産経ニュース 2009.6.25 10:35)
まして、このご時世、振り込め詐欺事案と疑われるのに十分な内容です。百歩譲って、この電話連絡自体が、本当に正当な連絡だったとしても、警察署なら、それなりの手順を踏むべきだったのです。キチンと名乗った上で「ホンモノであることの確認手段」を講じる必要があるでしょう。例えば、事前に管轄の札幌署に連絡し、情報を伝えた上で、本人から札幌署に問い合わせ電話を入れて貰うという手順であれば、珍事件に発展しなくて済んだはずです。
前回の話でも感じたことですが、警察官は「自分はホンモノだから証明の必要はない」とでも思っているのでしょうか?
本人はわかっていても、他人は証明されなければ信用できないんですよ。これじゃ警察官ではなく軽率官ですよね。
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