「4日午後4時45分ごろ、東京都目黒区の区勤労福祉会館で、アーチェリーの練習をしていた港区にある私立高2年の男子生徒(16)のみけんに、同じ高校の2年の男子生徒(17)が放った矢が刺さった。生徒は意識不明の重体。
警視庁目黒署などによると、矢を放った生徒は「(被害者に)矢を向けていて、誤ってうってしまった」と話しているという。
当時、アーチェリー場に指導員らはおらず、生徒2人だけだった。矢を放った生徒が119番した。負傷した生徒は的と射場の間を行き来する通路付近に倒れていた。
矢はカーボン製で長さ約70センチ。正面からみけんに刺さっており、生徒が自ら矢を抜いたという。同署は業務上過失傷害の疑いで、矢を放った生徒から事情を聴いている。
高校によると、2人の生徒はともにアーチェリー部員。自主練習だったため、顧問の教諭は立ち会っていなかった。
目黒区の職員によると、会館は6階建てで、屋上がアーチェリー場になっている。2人は定期的に利用しており、この日も午後4時半ごろから使っていたという。(共同通信 2009/11/05 00:43)」
意識不明だった被害者が本日死亡したそうです。(合掌)
それにしても、あまりにも幼稚すぎます。家族にしてみれば、事故とは思えないでしょうね。法律的には「重過失致死」ということになるのでしょうが、基本的なことを守ってさえいれば、絶対に起こすことのない「殺人」なのですから・・・。
もちろん、殺意などなかったでしょう。しかし、結果的には「殺人」をしてしまったのです。“事故”が起きていなかったとしても、「殺人未遂」であることは間違いないのです。
「刃物や飛び道具は決して他人に向けてはならない」という鉄則を守らなかった故の「殺人」なのです。
自主練習であり、顧問の教諭や施設の管理者も付いていなかったという話ですが、それなりの責任は残ります。
「矢を人に向けない」という基本中の基本を教えていなかったのでしょうか?加害者の少年は、このような事故が起こる可能性を考える能力もなかったのでしょうか?
「自分だけは大丈夫」「そんな“事故”は起こさない」という誤った自信が、この事件を起こしてしまったのです。
私の世代では、物心付くかどうかという頃から、先の尖っていない鋏を手渡すときも「刃先は相手に向けない」よう教育されたものですが、今はそういう教育もしていないのでしょうか?
軽い悪ふざけだったのだろうとは思いますが、結果的に、殺された被害者はもちろん、加害者の人生も狂ってしまったわけです。なにしろ、「殺人者」というレッテルは一生消えないのですから・・・
続報です。
「アーチェリー事故:高2に矢、同級生を書類送検へ 警視庁」
やはり、重過失障害での送検ですね。その後、検察がどう判断するか、さらに刑事裁判に進むかもわかりません。そのほかに民事賠償責任も出てきますよね。
加害少年にとっては、一生背負わなければならない重い事件です。
投稿情報: はつかり | 2010/03/02 09:02