先日、「相撲は「国技」の看板を下ろせ!!」などと書いてしまいましたし、先日、管轄する文科省が北の海理事長を呼びつけた一見では、マスコミ各紙も「国技剥奪」などのタイトルを付けていましたが、ここに大きな勘違いがあったことがわかりました。
「国技」そのものが「国旗」や「国家」のような公式に定義されているものではなく、法律などの根拠もない、ただの肩書きに過ぎなかったんですね。(文科省が)管轄する財団法人の資格を取り消せば、「文科省のお墨付き」がなくなるだけです。
もっとも、強いて定義づけするとすれば、「その国で生まれた武術や競技を 指す言葉」というところでしょうし、その意味では「相撲は国技」という表現そのものは間違っていませんが、「大相撲」に限定するなら、武術でもなければ競技でもありません。
格闘技の観戦興業の一つでしかないんですよね。
そもそも、我が国独自の武術として、柔道,剣道,弓道などの“~道”と呼ばれる武道があります。これらの武道は、体力や技術だけでなく、礼節も重んじるし、精神的な修行の意味もある点などが共通しているように思います。
技量を競う大会はあり、指南(指導)することで生計を立てる師範は存在しますが、観戦で利益を得る興行で生計を立てるプロ選手は存在しません。
一方、相撲は、もともと神事の一つとして誕生した競技ではありますが、そこから派生した大相撲(角界)は、大衆に観戦させる格闘技であり、大衆娯楽の一つ、観戦興業として発展してきました。つまり、相撲協会とは興業で生計を立てるプロ選手集団、つまり、相撲と大相撲の関係は、レスリングとプロレスの関係のようなものです。
所詮は観戦格闘技として興行する見せ物に過ぎないということであり、プロレスやK-1と分けて考えることの方が変なのです。
観戦格闘技興行なら八百長だって構わないし、(朝青龍のような)ダーティーヒーローがいるのも面白い。いっそのこと、覆面相撲レスラーを登場させたっていいじゃないですか。(笑)
ということは、「相撲道」などと言い、「相撲は国技」などと言い、さも「大相撲」が立派な世界と思いこんでいる角界自身が大きな誤解をしているということなのです。そういえば、柔道や剣道、弓道などには「角界」のような呼び方もなければ、「タニマチ」もいませんよね。
そうそう、文科省が管轄する財団法人という扱いですが、これもおかしい。財団法人とは、利益を追求しない公益法人の一つで、「個人や法人から寄付された財産(基本財産)で設立され、その金利を主な収入として運営する」ことになっていますよね。
しかし、相撲協会の場合は、興行による収入が大きいですよね。これだと、財団法人どころか公益法人の資格もないような気がするのですが....。
ちなみに、「相撲は国技」と言われるようになった所以ですが、どうやら明治42年にできたとき、板垣退助が名付けた名称が「国技館」であり、そこを拠点に行われる興業相撲ということで、いつのまにか「相撲は国技」と言われるようになったというのが真相のようです。
ということで、前回のタイトル「相撲は「国技」の看板を下ろせ!!」は、「感違いだらけの「相撲は国技」!!」と差し替える方が良さそうですね。
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