先日来、朝青龍の仮病事件に続き、時津風部屋のリンチ事件など大相撲の話題に触れてきました。
「国技などではない、興業格闘技に過ぎない」と切り捨てた大相撲に続き、亀田一家騒動に揺れるプロボクシング界もレベルの低さを露呈させました。
私は、昔から運動競技(スポーツ)というものには(ほとんど)縁のない人間です。野球もサッカーもゴルフも興味がありません。
強いて言えば、フィギアスケートを見るのは好きですが、エキシビジョンで華麗な技を見るのが一番楽しいという程度です。そんな私ですから勝敗にはあまり興味はないのですが、運動競技(スポーツ)に対して子供の頃から大きな勘違いをしていたようです。それは、「選手は(ルールに則って)正々堂々と技を競い合うものだ」と信じていたことです。
しかし、最近の運動競技(スポーツ)に関する報道を見ていると、やはり、それは大きな誤解でしかないと確信します。オリンピックで活躍した選手のドーピングもそうですが、様々な運動競技で(故意に)違反が行われていますし、格闘技やサッカーでは「(反則も)バレなきゃテクニック」的なところがあるようですね。
先日も書きましたが、「体力や技術だけでなく、礼節も重んじる」のは、運動競技ではなく、武道なんですね。
武道ではない、運動競技(スポーツ)の世界では、勝つことに意義がある。勝てば官軍です。
「バレなきゃ、なんでもあり」なんでしょうね。朝青龍の仮病、時津風部屋のリンチ、亀田の投げ技、みんなバレたからいけないんです。おっと、もっと肝心なことを忘れていました。大相撲もプロボクシングも「(運動競技としての)格闘技」ではなく、「興業格闘技」でした。競技でない以上、ルールなんて「♪そんなの関係ないっ!」でしょう。
しかし、それなら問題はよりいっそう大きくなりますね。なにしろ、大衆が観戦することで成立する興業です。シナリオ通りに盛り上がってこそ、大衆が興奮するんです。
その昔、街頭テレビを賑わした興業格闘技のプロレス中継では、見事にシナリオ通りに進行していました。入場した選手に渡される花束は悪役に散らされ、汚れたリングはスポンサーの掃除機で綺麗になります。(その間、悪役は暴れません)そして、試合が開始されると、途中までは悪役が(ルールを無視した攻撃で)絶対優位に立ちながら、残り10分程度になったところで、主役(力道山)が必殺技(空手チョップ)悪役を倒していました。(しかも、放送時間内に収まる)勝ち方なんですね。倒された悪役たちは素直に退場し、ヒーローが観客の喝采を浴び、堂々と退場していく。
いやぁ、見事な勧善懲悪。長寿番組「水戸黄門」や特撮ヒーロー「ウルトラマン」にも通じる定番です。これがあってこそ、興業格闘技は盛り上がるのです。
大衆の支持を受けるシナリオ通りに動けない興業格闘技選手は、大根役者でしかありません。
朝青龍や亀田一家の人たちは、このあたりをよく考えて、自分の役割(悪役)に徹しなければ、舞台を追われることになるのは明らかですよね。
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