前回、苦言を書かせていただいた「
平城遷都1300年祭」の
マスコットキャラクターですが、やはり不評のようですね。県内のデザイナーらでつくる団体が「選考過程が不透明」と反発し、独自にキャラクターを公募するという
記事がありました。
記念事業協会が決めたキャラクターは
鹿の角を生やした(仏を連想させる)
童子だそうですが、地元
仏教界からの再考を求める意見などに対し、「
平城遷都1300年記念事業協会の考え方」(3/14)および「
マスコットキャラクターに関する要望書について」(3/28))で「
仏様ではなく、架空のキャラクター
童子である」と門前払いしたことに反発した県内のデザイナーらでつくる団体が独自にキャラクターを公募するのだとか...。
う~ん、この坊や、やっぱり嫌われ者なんですね。
でも、こんな経緯を経て、誕生する新キャラクターも
新・加瀬大周みたいなことにならなければいいんですけど....。
4月13日追記
このマスコットキャラクターについて制作者である彫刻家
藪内佐斗司氏の
サイトに辿り着きました。
同サイトには、氏のもとに寄せられた数多くの意見とそれに対する氏の考え方なども掲載されており、このキャラクターが、同氏の20年来の作品テーマである「童子」をベースに作られたことなども紹介されています。
藪内氏自身は、(彫刻家としての)想いを込めた作品としてコンペに参加したのでしょう。それ自体に全く問題はありませんし、信念を持った作品作りであることや批判などに対する対応などを見ても、真面目な方なのだろうと思います。
また、あらためて、(単体の)「(角付き)童子」を見た場合、(藪内氏の)
創作彫刻らしさがでていると思います。
藪内氏に寄せられた意見の中には、
心の障害者とお思えるような方もいるようですが、そんな声に負けずに、今後もいい作品作りに精を出してほしいですね。
しかし、イベントの
マスコットキャラクターとしては、違和感を覚えるのも事実です。このキャラクターが「仏様」ではなく「童子」という説明も、イベントと関連させて考えると通らなくなるんですよね。「童子」だとしても「
仏様をデフォルメした童子」でしかなくなってしまいます。そうでないなら、奈良との関連も薄れてしまいます。
記念事業協会が「
独創性よりも
万人受けが求められる」点に気づいていれば、この作品が採用されることはなかったような気がします。
そういえば、
こんなサイトにもたどり着きました。たしかに「ゆるきゃら」ですね。イベントに登場する着ぐるみをイメージすると、角の大きさはこの程度にしておくべきだったような気もします。
4月15日追記
このキャラクターの名前が「せんとくん」に決まったそうです。
4月17日追記
「せんとくん」の前に「セントくん」がいました。(
記事)
神戸市兵庫区の平野地区で、商店主らが毎年開いている「福原遷都まつり」の「セントくん」で、阪神大震災の復興イベントとして'05年に始まり、地元イラスト
レーターがデザインしたのだとか。
平清盛による福原京遷都にちなみ、平家の武将をイメージしたもので、平安衣装姿の女性の「フクちゃん」とペアでマスコットキャラクターとして活躍しているそうです。
「奈良県などでつくる平城遷都1300年記念事業協会は、
商標を調査し、福原のキャラクターも把握していたが、1回限りの催しと認識していた。法的な問題はないが、福原側から苦情などがあれば対応を考えたいという」だそうですが、把握していたのなら事前に相談するなど対応すべきでしょ。
ホントに安易なんですね。「せんとくん」のデザインは、協会関係者が、鹿程度の頭しか持っていないということを、暗に示していたように思えますね。
6月3日 追記
昨日、市民団体「クリエイターズ会議・大和」が
公募していた“キャラクター”が決定したそうです。
ずんどうのシカがマントを羽織った「まんとくん」です。「まんとくん」は、平城宮の朱雀(すざく)門をデザインした帽子を被り、白いマントを纏っていますが、このマントには四季折々の模様があしらわれる予定だとか。名前には、「万人の知恵」「万葉人」などの意味が込められているそうですが、「せんと(千人)くん」よりも「まんと(万人)くん」というのは誰にもわかりますね。
「せんとくん」か「まんとくん」か、どちらが大衆に支持されるのか...。
でも、なんか「
加勢大周」と「新
加勢大周」の騒ぎみたいに見えてきました。(笑)
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